2014年7月13日日曜日

シエラレオネのエボラ出血熱

会報の4号に、シスター白幡が「エボラ出血熱」について簡単に報告を書いてくださっています。そこには、一部の人々が厳しく注意するので、ルンサの人々は、普段は貴重な食料にしている小動物も食べないようにしている様子が書いてありました。
その後、日本のテレビ番組などでも西アフリカでのエボラ出血熱の流行について大きく報じており、心配の声が本部にも届いています。
 エボラ出血熱というのは、比較的新しい感染性の病気で、空気伝染はないのでそれほど伝染力は強くないようですが、感染するとかなりの高い確率で死に至る恐ろしい病気だそうです。
 シスター吉田に最新の状況を知らせていただきました。一時はエボラ・エボラでかなりパニック状態でしたが、最近は沈静化し、落ち着いて来ているそうです。シエラレオネのエボラ出血熱が流行しているのはシエラレオネの東部のカイラフン(Kairahon)という町で、ここには宣教クララ修道会の修練院があり、シスター吉田も5月末にエボラがニュースになる3日前までここの修練院に出張していたそうです。そして、エリサ地区長も6月末に、この修練院を訪れ、様子を見てきたそうです。その結果、特別の対策を取る必要はないとのことで、修練院の修練女たちは引き上げることはせず、引き続き普通の生活をしているそうです。でも、カイラフンから他の地区に出る時は、チェックポイントで検査を受けることが義務付けられたそうです。

  カイラフンを訪れたSr.エリサ地区長(右の人・数年前の写真)

 OLGのあるルンサはカイラフンからは遠く離れていますから、ほとんど心配ありません。
 シスター吉田が病院修道会のブラザーに聞いた話では、シエラレオネでは178名が発症し、74名死亡、24名が完治したそうです。
 ちなみに、WHOが7月6日に発表した統計では、西アフリカ3カ国(ギニア、シエラレオネ、リベリア)でのエボラ出血熱の感染者は844名で、そのうち死者は518名だそうです。
 感染源は動物ですが、人から人への感染した例も見つかっているそうです。西アフリカでは死者の体を水で洗って葬る風習があるので、その時に感染するのではないかとの疑いもあるそうです。
 シスター吉田からは、「ご心配いただいてありがとう。しかし、この町には感染者は皆無で、OLGの子どもや家族には心配がないのでご安心ください。」とのことでした。

 日本でしたら、まず、手洗いやうがいの徹底が叫ばれますが、清潔な水を手に入れるのが難しい国ですので、このまま沈静化することを切に祈っていきたいと思います。
[訂正]上記の記事について、西アフリカの医療事情に詳しい藤井千江美様から、次のようなアドバイスをいただきました。
感染源は動物ですが、人から人への感染した例も見つかっているそうです。」と書きましたが、現在ではそれよりも一歩深刻になり、人から人への感染が広がっている事実を把握して、終息に向けての懸命の活動が行われているとのことでした。藤井様に感謝し、皆様にお詫びして訂正させていただきます。
           ともに歩む会 代表 菅野勝治郎