Sr.白幡一時帰国
様々な事情があり、皆様へのお知らせが遅くなってしまいましたが、シエラレオネで活躍中のシスター白幡はお母様がご帰天されたので、1月に緊急帰国しました。1月14日に行われた葬儀にぎりぎり間に合い幸いでした。
90歳を超えるご高齢でしたので、「母に何事かがあっても帰国するつもりは無かった」とのことですが、エリサ地区長の強い勧めで緊急の帰国となったそうです。当初は3週間程度の滞在予定でしたが、常夏の国から寒さ厳しい日本に戻られたためでしょうか、インフルエンザに罹ったりして体調を崩されました。
今は元気になられましたが、再び過酷な環境のもとに戻るので、十分に体力を回復してからシエラレオネに戻るようにとのエリサ地区長のご指示で、3月下旬の帰任となったそうです。
Sr、白幡を囲む会にて
ともに歩む会としても、シスターの訪問などは遠慮していましたが、少しの外出なら大丈夫になったとのことでしたので、本部委員に呼び掛けて去る2月14日「シスター白幡を囲む会」を本部で行いました。急でしたが、総勢14名が集まり、有意義な一時を過ごすことができました。
何よりも、私どもが安堵したのは、シスターが予想以上にお元気だったことです。73歳だそうですが、髪の毛に白いものはあまり見られません。「染めているんですか?」と尋ねると「いいえ、シスターはそのようなことは一切しません」とのことでした。エボラ出血熱が発生してからの現地の様子なども直接お聞きすることができました。白幡さんは車の運転ができないので貧困家庭への食糧配りはシスター吉田等に任せているとのことで、後方支援に徹しておられるようでした。シスターは、「皆さんから『大変ですね』とよく言われますが、自分は特別のことは何もしていない。シエラレオネにいるというだけで、あとはすべて、支援者の皆様のお陰です。」と繰り返し言われました。
帰りの車の中で、エボラ孤児となったカディアツさんの様子をお聞きすると、ぽつりと「・・・エボラのために、私の幼稚園の双子の兄弟が亡くなってしまった。両親も亡くなられた。」と無念そうに言われました。65名の住民全員が亡くなった村もあるそうで、エボラ熱禍の厳しさは聞けば聞くほど、恐ろしいものに思われました。
シスターは日本滞在期間が3月まで伸びたことを喜ぶ様子は無く、完成間近い幼稚園舎も待っている現地に早く戻りたいという気持でうずうずしておられるように見受けられました。
Sr、白幡を囲む会にて
囲む会に参加された方から寄せられたメールの一部を紹介します。
・白幡さんにお目にかかる度にお人柄や生き方に心打たれ、私も何か出来ることは精一杯やらないといけないなとの思いを新たに致します。
・シスターが楽しそうで何よりでした。私たちもとても嬉しかったです。少々無理をしても今日の会を開いていただいて良かったと思います。
・シスターがとても元気で、安心して再び送り
だせる気持になりました。
・シスターの笑顔はいつもと変わりませんでしたが、私たちには想像できない見えない恐怖がまだ続いているのでしょうね。
シエラレオネへのビックな支援
過日、NPO法人・愛知ボランティアセンターの久田光正理事長から突然のメールをいただきました。エボラ出血熱禍の中で食糧危機にさらされている西アフリカの子ども達のために、何かしないではおられないという気持になられたそうです。そして、久田氏も関係しておられる愛知県下の私立中学・高校に呼び掛け、入学時に保護者の費用で購入して備蓄し、卒業時に返却している非常食を、飢餓の危険性のある子ども達の命を守るために寄付をお願いして、集まった非常食をコンテナでアフリカに送ることを発願されたそうです。
送り先をいろいろ検討している時に「ともに歩む会」のウェブサイトに出会い、この会に仲立ちしてもらうのが最適と考えられたとのことでした。早速、現地のシスター吉田に連絡すると、勿論大歓迎で、OLG学園を窓口としながらも、司教にもお願いして、カトリックのネットワークを利用して、シエラレオネ国内で最も必要とする所に配布することにしたいとの返事でした。
目標としては非常食1万個(市価2,000万円)で、コンテナでの輸送費(約100万円)は街頭募金等で集めるそうで、既に毎週、ボランティアの生徒達が募金活動を行っています。
2月11日にWHOが発表した情報によると、
直近の3週間におけるエボラ熱感染者数は、
下記の通りだそうです。
ギニア 134人
リベリア 12人
シエラレオネ 221人
11月21日から12月19日の約1か月間のシエ
ラレオネでの新たな感染者数は2,569人でした
から、その頃に比べると明らかに感染拡大の勢
いは衰えているように思われます。
完全なる収束宣言が出されるまで、祈り続けた
いと思います。
Sr、白幡を囲む会の後で
(菅野勝治郎)