この度、日本カトリック海外宣教者を支援する会の広報紙「きずな」の176号を届けていただきました。その中に「過去に掲載した宣教者が日本を思う気持ち」というコラムがあり、シスター根岸の文章が掲載されていました。私どもにとりましてもとても懐かしく、しばらくぶりでシスター根岸のお声を聴く思いで読ませていただきました。同会のお許しをいただいて、こちらにも載せさせていただきます。
シエラレオネ 御聖体の宣教クララ修道会 根岸
美智子(帰天)
この度の大災害、何の言葉も出ないほど大きなショックを私も受けています。考えられない大災害、本当に大きな自然の前には無力な人間を感じます。苦しみと不安の中でこの大きな犠牲を神様にお捧げするのみです。あっという間に津波に吞み込まれてしまった方々、80歳のご高齢でもお台所に閉じ込められ、冷蔵庫内の物で生き延びられた方、小さいボートに乗り込んで助かった子ども、本当に不思議に思います。
この災害を聞いたルンサの人々も、皆、心から同情し、日本のために祈っています。私たちの学校では、四旬節に特別な祈りをするのですが、その一つに十字架を担いでキリストの苦しみをともにする祈りがあります。教師、生徒はいつもより早く学校に来て、日本の皆さまのためにこれを捧げましょうと、土の上にひざまずきながら1時間にわたってこの祈りをしました。
またこの日、私のオフィスに代表の教師(職業センターとMI中学部)が7人、入ってきました。何事かなあ、団体交渉かなあと思っていましたら、「シスター、この度の災害、心からお悔やみ申し上げます。少しですが生徒と皆で集めました。どうぞ、日本の皆さまに送ってください」と、お金を持ってきました。皆が貧しい中で寛大に一人残らず献金してくれたのでした。合計で230ドルになりました。
これを早速、日本に向かう「メルシーシップ」で働いておられた川嶋医師に託して持って行っていただきました。
皆、とても貧しいので額は小さいのですが、その心はとてもうれしいものでした。ルンサは毎日皆様のために祈っています。 2011年6月「きずな115号」より