2023年5月1日月曜日

5月を迎えて

51日、現地に260万円を送金できました。内訳は、35月分の給食支援費210万円と、奨学金50万円です。奨学金の年間予算は150万円でしたが、今回は50万円だけの送金になりました。次回、8月(年度末)の送金時には残りの100万円を送金したいと願っています。8月には、給食費の残額140万円と、多目的支援費(予算100万円)も加わりますので、総額340万円の送金になります。かなり厳しい数字ですが、無理はできませんから、お寄せいただいた支援金を感謝して現地に送らせていただきます。年間ではおよそ1000万円の送金になります。本当に本当にありがとうございます。

 


 支援者の方から「生命(いのち)の旅、シエラレオネ」という本を紹介していただき、興味深く読ませていただきました。著者は国境なき医師団で活躍している加藤寛幸医師で、スーダンやシエラレオネでの医療活動に従事され今はウクライナで活動しておられるそうです。

この本では2014年にシエラレオネにおいてエボラ患者の治療に当たられた日々の記録を詳しく述べておられます。

最近は、私どももエボラという言葉はほとんど聞かなくなっていたように思われますが、その終息には国境なき医師団などの先生方の命を懸けた苦労があったことに改めて心打たれるものがありました。エボラ治療センターがあった場所は、カイラフンという地区で、ここは宣教クララ修道会の修練院のある町でもあるので、とても親しみやすく読むことができました。

 私は西アフリカでエボラが大流行した要因の一つは、人々が無知のためにエボラの隔離病棟に収容された患者を親戚の者たちが「あそこに連れて行かれると殺される・・・」と疑って夜中に患者を連れ出したり、埋葬された遺体を掘り起こしてきれいに洗って埋葬し直したりという行為があったらからだ・・・というようなことも聞かされていました。

 しかし、加藤医師の報告によると、快方に向かった患者が重篤な患者の世話をするような場面も沢山みられたし、子ども達が皆で励まし合って、けなげに生きている姿に、医師として葛藤の中にある加藤さんはたくさん励まされ、生きる力をもらったと書いておられます。

 私たちがシスター方の報告や写真を通して知っているシエラレオネの子ども達の姿とだぶります。この度のコロナ禍では、当初恐れたような大流行がこの地では起きなかったのは、この経験と人間力があったからではないでしょうか?(菅野勝治郎) 

         カイラフンのエボラ治療センター