2019年9月30日月曜日

会報25号:2019年度を振り返って   



会報25号を掲載しました。上のメニューバーの「会報」を開いて、「会報25号」をダウンロードしてご覧になってください。下の文は、会報の別刷りとしてお届けしたものです。


会報25号別刷り

2019年度(2018年9月~2019年8月)を振り返って   
                 ともに歩む会代表 菅野勝治郎

繰り返される奇跡

 
 この文章を書くに当たって、過去5年間の「振り返って」を読み返してみました。“ともに歩む会”が担っている活動は、全国の支援者が任意に寄せてくださる支援金を西アフリカの貧しい国・シエラレオネの子ども達の教育のために送り続けること、ただそれだけの単純な仕事です。

 しかし、毎年のように「奇跡としか言いようがない」という恵まれた1年の記録が記されていました。

奇跡という言葉は安易に使えるものではないと思いますが、私どもの実感なのです。

 今年度も、特に6月以降、最後の2か月間は感激の連続の日々でした。沢山の支援金を寄せていただいた驚きばかりではなく、それは私どもが「できれば、7月中(年度中)にこれだけは送金したい。」と願っていた数字に合わせたような額が7月末に満たされたことです。本当に感謝でした。

 6月末に発行した会報の24号にて、率直に「給食支援費の送金も危ぶまれる現状です」と書かせていただきました。

その時点で、現地のアドリアナ地区長には、7月の給食支援費の送金が遅れることや、多目的支援費や医療支援費、RC男子校への給食支援費を今年度は送金できそうにない実情を知らせました。

 それに対するアドリアナ地区長からの返信は次のようなものでした。

もちろん、子どもたちの給食は中断せずに続けます!!! 
子どもっていいですね。必ず誰かが面倒を見てくれるのを信じているので何にも心配していません。

私たちも、天のお父様が私たちのために備えておられることを知っている子ども達のようになりましょう。」

 また、私どもと似たような活動をしている知人から「ともに歩む会は恵まれているから、苦労知らずでいいですね」と言われたことがあります。支援者の皆様の身を切るようなご苦労の賜物であることを日々痛感している私は、返答に窮しました。

 
 私は今まで、短報やブログでは、給食支援費を送金できたことの感謝を中心に報告して来ましたが、これからは、その時々にまだ送金できないでいる支援金の実情も率直にお知らせさせていただきたいと思います。

 (具体的な支援金の入金や送金の記録は、別紙の決算報告にてお知らせしました。)

 感謝とお詫び

 
 また、ある支援者の方からは、次のようなお言葉をいただきました。「“ともに歩む会”は誠実な働きをしてくださっているし、会報などの隅々までその心遣いが行きわたっているのがよく分かります。これからも宜しくお願いします」と。

 これは、本当にありがたいお言葉でしたが、私どもは感謝の思いと同時に恐れの念も感じました。襟を正してこの言葉を受け止めたいと思います。

今年度の初めには、会報に同封する「振込用紙」をこともあろうに前の団体の時のものをかなりの割合で入れてしまうという大失態を犯しました。この一事を通しても私どもの信用は失墜して当然なのですが、支援者の皆様の寛容さに救われました。失態の後遺症と思われるような表われは、今も感じられません。

年度末に当たり改めてお詫びするとともに、寛容に対応してくださった皆様に心より感謝いたします。

 本部では、支援金の日常の受け入れ事務は、代表の仕事を事務局と会計とで重ねてチェックしています。しかし私どもの気づかないところでミスや失礼があったのではないかとも心配しています。

この会報には「年間支援額報告書」を同封します。これは、領収証ではなく、各個人(団体)の1年間の支援金受け入れの記録です。もし、今年度送金したはずなのに、報告書が入っていないとか、支援金額が違っているというような場合がありましたら早急にお知らせください。また「給食支援」で送ったつもりなのに「本部一任」となっていた・・・などという場合でも、お知らせください。

 
Sr.白幡の修道誓願50周年記念

 さて「今年度を振り返って」で、真っ先に記録しなければならないのは、シスター白幡が修道誓願50周年の記念の年を迎えられたことでした。215日にシスターからいただいた会報23号の原稿にはそれについて何も書かれておらず、その後に、今年50周年記念ミサが行われると知らされ、アドリアナ地区長からも記念ミサにはぜひ日本からも出席して欲しいとのメールがありました。本部では、会報23号で参加希望者を募って・・・と企画を始めた所、記念ミサは39日との連絡が入り、その計画は頓挫しました。
しかし、丁度にルンサ訪問を計画していた埼玉医大4年生の堀井翼さんが、当日の朝ルンサに到着し、記念ミサの様子を写真に収めて送ってくださいました。

 お陰様で、急でしたが、シスター白幡の修道50周年記念ミサの様子を会報23号でお知らせでき、24号ではシスター白幡ご自身の感謝の言葉などを紹介することができました。

 このことを通して、修道女として徹底して主に従順し、人々を愛するシスターの生き方から沢山の感動をいただきました。

 またシスターが修道会や教会の皆様、シエラレオネの人々から深く尊敬され慕われ愛されていることを改めて知って、沢山の幸せをいただきました。

当然のことですが、“ともに歩む会”に寄せられた沢山の支援金は、このシスター方の働きを通して、シエラレオネの子ども達の教育を支えたいと思う一人ひとりの“愛”によってもたらされた“奇跡”です。
シスター白幡の誓願50周年記念を祝って、本部スタッフ一同で上記の寄せ書きを贈りました。

支援物資輸送について

 
 昨年11月頃出航するコンテナに便乗させていただく予定で寄せられた約100箱の支援物資は、延期が度重なりいまだ本部に留め置かれていました。
 荷物はグッドリチさんご夫妻のご厚意で輸送をしていただいていましたが、6月中旬より連絡が取れなくなりました。

支援物資の中には食品もあり、賞味期限の問題もありますし、教育の場で早く使いたい物も知らせてきましたので、取り急ぎ今年度の物品援助費予算を使い8箱ほどの荷物を送りました。

8月にルンサを訪問された明治大学教授の藤井剛先生のグループ5名の方にもご協力いただき、小分けにして物資を運んでいただきました。


荷物は1箱5kg~20kg位の重量、船便の送料は5,000円∼10,000円近くかかります。コンテナに便乗できず、郵送に切り替えると相当の出費になり途方に暮れていました。しかし8月に入ってこれを十分に賄えるほどの高額の支援金を篤志の方よりいただきました。その方に相談しましたところ、支援物資の郵送料として用いることを快諾してくださったのです。


皆様から寄せられました支援物資は少しも無駄にすることなく、現地の受け入れ態勢を見ながら順次送りたいと思っていますのでご了承ください。

 グッドリチさんには2度にわたってコンテナを無償で提供していただき、現地での荷下ろし・陸送等すべてお世話になり心より感謝しております。

今、何らかの困難の中におられるのではないかと案じ、ご家族の皆様の安全が守られますよう皆でお祈りいたしております 

2020年度に向けて 

 2020年度は2019年度の実績に支援物資輸送費を上乗せした予算にしました。言うまでもなく、20年度もかなり無理を承知の予算案になります。しかし、現地の貧しさは今の支援で十分と言えるものではないはずです。私どもが自覚している以上に、私どもに対する現地の期待は大きいのです。

 19年度も日本各地で自然災害が多発した年でもありました。被災地の皆様への支援には目を向けることができないことを申し訳なく思います。

 20年度は東京オリンピックが開催されます。緑・白・青のシエラレオネ国旗を見たら、思い切り応援したいと思います。

 どうか20年度も、19年度同様にお支えくださいますようにお願いいたします。