2015年9月3日木曜日

新年度を迎えて・Tさんのこと


 ともに歩む会は、831日が年度末で、91日から2016年度が始まりました。この時期、来る919日に開催予定の本部総会に向けて、決算書の作成、予算案の立案、また総会後に発行の「会報9号」の編集と、多忙な日々を過ごしています。
 

 このような折、私どもにとりまして、とても悲しいニュースと嬉しいニュースを手にしました。

 悲しいニュースからお知らせします。“ともに歩む会”の立ち上げから今日まで、文字通り苦楽を共にしてくださった諮問委員のTさんが、91日に心筋梗塞のために急逝されました。去る86日の朝、急に気分が悪くなり、奈良市立病院に救急搬送されました。数日後、近畿大学付属病院に転院、最新・最善の治療を受けられたのですが、ご家族に見守られながら静かに神様の御許に帰られたそうです。

              
  私は7月にTさんから分厚いお手紙をいただきました。ともに歩む会の運営について、率直なご意見が書いてありました。そして、今年送金しようと予定しておられたエボラ孤児支援金をまとめて送ってくださったのです。また、ともに歩む会も軌道に乗ったし、諮問委員としての自分の役目は終えたと思うので、今年度末で辞任したいとも書いてありました。

  ともに歩む会の立ち上げから今日まで、奥様とともに全力で支え続けてくださったTさんの、2015年度末を見届けるようなご逝去には、何だか、この日を予感して、しっかりとバトンタッチの用意をしてくださっていたように思われてなりません。

 
  大企業の社員として海外駐在の経験も豊富なTさんからは、会計報告の在り方、会の運営の仕方など、沢山のアドバイスをいただきました。東京から奈良に転居されてからも、必要と思う時はこちらまで来てくださったこともありました。そして、何よりも支援者のお心を大事にすること、ビジョンをしっかり持つことなどの大切さを教えてくださいました。


 8月中旬、仮の決算書ができ、2015年度もとても恵まれて、予算以上の支援活動ができたことの報告書の原案を全本部委員に送りました。その時、既にTさんの意識は無かったのですが、この嬉しい報告書をTさんの手に触れさせて欲しいと奥様にお願いしました。
  奥様からは、Tはもう何も自分から話すことはできないが、きっと理解してくれていると思う、とのメールをいただきました。

   また、いつだったか、奥様から、Tは、今年、ともに歩む会は2,000万円を超える支援金が集まると思うと言っているんですよ、と聞いたことがありました。私は、いやそれはあり得ない、それは奇跡というものです、と答えた覚えがあります。
 

 ところが、831日、2015年度のともに歩む会への支援金合計は2,000万円を超えていました。月末になり、匿名希望の方から200万円の支援金を送っていただいたことなどもあり、信じられないような結果になりました。

 
 このところ、シエラレオネのインターネットの回線の状況が最悪で、シスター吉田からのメールがほとんど届かず、会報の原稿が間に合わないのではないかと心配しておりましたが、これも91日に届き、予定通り103日には会報の9号を発送できる見通しが立ちました。

 

 2015年度の詳しい報告などはその会報9号の紙面まで、少しお待ちください。今は、天上の人となって私どもとともに歩んでくださっているTさんにも満足していただける会報に仕上げたいと思います。
                                                    (菅野勝治郎)