7月も半ばを迎えました。猛暑は一休みかと思いましたが、各地の大雨のニュースが続いています。アフリカからの留学生が「気温の高いのには慣れているが、日本の夏の蒸し暑さには驚いている」と話しているそうです。
本部では今、今年度最後の支援金送金の準備を進めています。2ケ月分の給食支援費とOLG医療支援費、マイル91クリニック支援費で、7月末には送金可能になることを願っています。
スタッフの田中マルタさんが次の資料を届けてくださいました。今のシエラレオネの子ども達の窮状を理解するために、そのまま紹介させていただきます。 (菅野勝治郎)
ニューヨークタイムス紙に6/20,6/28、6/29と断続的に掲載されたトランプ政権による海外支援の歳出削減に対する批判記事の中にシエラレオネに関するものがいくつかありましたのでご紹介します。記事中の一文で前後の文脈の記載がなく、その上google翻訳のためこなれていない日本語となっており、わかりにくいかもしれませんがご容赦ください。(田中マルタ)
記事1
シエラレオネの診療所で、スタッフはH.I.V.検査キットが不足しており、妊婦にウイルス検査を行うことができなくなったと報告していました。医師や看護師が、どの女性がH.I.V.陽性かを把握していなければ、出産時の感染を防ぐことはできません。
5月、ここマケニの町で2人の子どもがH.I.V.に感染して生まれたと、医療従事者が私に教えてくれました。一人はイブラヒム・コロマという名前で、数日以内に亡くなりました。もう一人は、H.I.V.に関するスティグマ(偏見)を避けるため名前を明かせませんが、生存しています。
記事2
私たちはまた、こうした死が、いかにして安価に防げるかを目の当たりにしています。
シエラレオネのある診療所で、私たちは13か月の少年アブカマラに出会いました。彼は重度の栄養失調により、ただれた皮膚と棒のような手足をしていました。母親のマリアトゥ・フォルナーは、私たちを彼女の村、奥地のブッシュにある村に招いてくれました。
その家族は困窮し、苦しい生活を送っていました。両親と4人の子どもたちは、電気もない藁葺き屋根の泥レンガの家で、ひとつのマットレスを共用していました。その日は午後早い時間だったにもかかわらず、家族の誰もまだ何も食べていませんでした。
フォルナーはできる限りのことをしています。彼女は3ドルの全財産を使い、アブカマラのために伝統的なハーブ薬を得るためにドレスを物々交換しました。そして彼女は、アブカマラを診療所に連れて行く長い道のりを歩き、ついにそれを見つけたのです
―― 奇跡のピーナツペーストという助けを。
診療所は彼女にそのペーストを与え、1日1つの小袋を渡しました。それによって、アブカマラはほぼ確実に回復できるだろうとされました。
このピーナツペーストには、タンパク質、微量栄養素、そして子どもの体が必要とするすべてが含まれており、味も良いため子どもたちが喜んで食べます。費用は1日1人あたりわずか1ドルです。
「プランピーナット」とは聞き慣れない略語「R.U.T.F.(Ready-to-Use Therapeutic Food:即時使用型栄養治療食)」というブランド名で知られています。この治療用食品は、すでに何百万人もの子どもの命を救ってきました。
R.U.T.F.のパッケージの多くは、ロードアイランド州の「エデシア・ニュートリション」という企業で製造されており、この会社はジョージア州の「マナ・ニュートリション」とともに、R.U.T.F.製造のリーダー的存在です。
ロードアイランド州とジョージア州は、自分たちの州を「R.U.T.F.州」と呼ぶナンバープレートを発行したいと考えるかもしれません。それほどまでに、誇り高い実績です。この2州のR.U.T.F.工場は、世界中の子どもたちの命を今も救い続けています。
―― これも歳出削減によって過去の話になりつつあります。
シエラレオネは、ひとつの革新を先導しました。
それは、アフリカで初めて、すべての妊婦に複数の妊娠期ビタミンを配布した国となったことです。これにより、胎児の栄養失調を効果的に減らすことができています。
「私たちには解決策が山ほどあります」と語るのは、ヘレン・ケラー・インターナショナルのショーン・ベイカー氏です。同団体は栄養と視力障害に取り組む国際機関です。
しかし栄養失調との闘いで世界をリードしてきたアメリカは役割を放棄しつつあります。
4年ごとに開催される2025年の「成長のための栄養」サミットに正式な代表団さえ送りませんでした。