2025年7月28日月曜日

今年度最後の送金

 ともに歩む会では、年度末を8月31に設定しています。本部では728日に、今年度最後の支援金として、10067.10ドル(約150万円)を送金しました。内訳は2ケ月分の給食支援費(120万円)とOLG医療支援費(10万円)、マイル91クリニック支援費(20万円)で、これで、今年度予定していました支援金は全額送金できたことになります。前年度の送金計画よりも20万円ほど増額した支援額予算でしたが、主の守りと支援者の皆さま方のお力添えにより、目標を達成できましたことを心より感謝いたします。現地からの報告を待って、会報の49号にて、決算報告や次年度の予算案をお知らせいたします。この後年度末までお送りいただく支援金は次年度911月の給食支援費として次年度に繰り越します。

 

 会報48号を読まれての感想を諮問委員の濱本緑さんが寄せてくださいましたので、以下に紹介させていただきます。

                    (菅野勝治郎)

          お帰りなさい!シスターエスメラルダ
 
              

 

会報48号を拝読いたしました。48号は、際立って内容豊富で濃いものでずっしり読み応えがありました。

総長さんのSr.マルタは会報を隅々まで読んでくださっているようですね。こちらの発することを受け止めてくださりコミュニケーションが取れていると感じるとうれしくなります。

1ページ目の調理実習の写真はちょっと意外でした。衛生概念も含めて学ぶためでしょうか? 実習服に着替えているのですね。

Sr.ジョセフィン地区長はいつも前向きですね。未来の可能性を信じている先生と向き合うことができると生徒は明るい希望を持てるし、とても励まされるでしょうね。

能力を高める努力をするよう励ますと同時に責任を持つことも教えることにも重点を置いているのですね。

日本はじめ富んだ国の政治家や会社の幹部達の発言を聞いていると、心が寒くなることがしばしばあります。ファーストとは何を第一とするということか?(これは愚痴です。)

シスター白幡には2月は日本から二組のお客様と、前地区長のSr.エリサも訪れ、3月にはSr.ジョセフィンの霊名のお祝いもあり、文章からシスターの嬉しさがあふれていますね。

君島さんや落合雄彦さん紗雪さんが遠い日本から訪問くださっている様子がよくわかりました。

今はネットを介して簡単に対面で話せますが、自ら体を運んで直に接しないと肝心なことはわからないのがよく理解できます。大きな働きを喜んでなさっておられる3人の姿に心から敬服しました。

高値のお米や特別の日のお菓子について、Sr.白幡からは嘆きより皆で分かち合った喜びがいつも伝わってきます。同じ話題でも私を含めた周囲の日常会話には不平や批判が満ちています。いつも喜んで生きておられる源は祈りでしょうか。

マンサレイさん、まっすぐな素晴らしい夢!ワクワクします。是非叶えられますようにお祈りします。

マックフォイさん、是非是非医師となり、大統領となり、シエラレオネが住みやすい場所になるように頑張ってください。努力の途中でくじけないようにお祈りします。

バングラさん、大学生活の現実に立ち向かい、苦労の真っ最中なのですね。日本では「若いころの苦労は買ってでもせよ(若い時に経験する苦労は、その後の人生において貴重な財産となり、困難を乗り越える力や、成長の糧となる)」と言われています。尊い苦労だと思います。貫けますようお祈りします。

落合沙雪さんのシエラレオネ滞在記、文面から動画が飛び出してくるような面白さで一機に読みました。そして思わず落涙するほど心が揺さぶられました。若くて柔らかく自由な感性を持った沙雪さんには、これからも広い世界でたくさんの人々と出会い、国や民族の枠を超えた未来を切り開いて行ってほしいと心から願います。高齢者や障がい者、移住者への医療にかける費用を、無駄遣いかのように扱う世論が広まりつつある中で、沙雪さんのような心情を持った若い医療者が居られるのを知り、ほっと安堵しました。

田中マルタさんのフランシスコ教皇の逸話は、知らないことばかりで楽しく読ませていただきました。それも、彼の祈りや言葉や行動や文章などから、私が勝手に想像していた姿そのもので、とても嬉しかったです。大司教になっても地下鉄やバスを乗り継いで通勤したり、親しいタクシー運転手さんとのエピソードは想像を超えていましたが・・・。彼とは一度もお会いしませんでしたが、私の心の中でとても親しい位置に存在を感じていましたし、今もそうです。

シスターエスメラルダが回復されてシエラレオネに帰ることができて良かったです。シスター白幡の喜びはどんなでしょう。

シスター方はみなさん、神様と周囲の人に信頼しているからでしょうか、本当に忍耐強いですね。見習わないといけないなと思いました。 この度も読みごたえのある会報をありがとうございました。              (諮問委員 濱本緑)

2025年7月11日金曜日

7月を迎えて

 7月も半ばを迎えました。猛暑は一休みかと思いましたが、各地の大雨のニュースが続いています。アフリカからの留学生が「気温の高いのには慣れているが、日本の夏の蒸し暑さには驚いている」と話しているそうです。

本部では今、今年度最後の支援金送金の準備を進めています。2ケ月分の給食支援費とOLG医療支援費、マイル91クリニック支援費で、7月末には送金可能になることを願っています。

 

 スタッフの田中マルタさんが次の資料を届けてくださいました。今のシエラレオネの子ども達の窮状を理解するために、そのまま紹介させていただきます。  (菅野勝治郎)

 

 ニューヨークタイムス紙に6/206/286/29と断続的に掲載されたトランプ政権による海外支援の歳出削減に対する批判記事の中にシエラレオネに関するものがいくつかありましたのでご紹介します。記事中の一文で前後の文脈の記載がなく、その上google翻訳のためこなれていない日本語となっており、わかりにくいかもしれませんがご容赦ください。(田中マルタ)

 

記事1

シエラレオネの診療所で、スタッフはH.I.V.検査キットが不足しており、妊婦にウイルス検査を行うことができなくなったと報告していました。医師や看護師が、どの女性がH.I.V.陽性かを把握していなければ、出産時の感染を防ぐことはできません。

5月、ここマケニの町で2人の子どもがH.I.V.に感染して生まれたと、医療従事者が私に教えてくれました。一人はイブラヒム・コロマという名前で、数日以内に亡くなりました。もう一人は、H.I.V.に関するスティグマ(偏見)を避けるため名前を明かせませんが、生存しています。

 

記事2

私たちはまた、こうした死が、いかにして安価に防げるかを目の当たりにしています。

シエラレオネのある診療所で、私たちは13か月の少年アブカマラに出会いました。彼は重度の栄養失調により、ただれた皮膚と棒のような手足をしていました。母親のマリアトゥ・フォルナーは、私たちを彼女の村、奥地のブッシュにある村に招いてくれました。

 

その家族は困窮し、苦しい生活を送っていました。両親と4人の子どもたちは、電気もない藁葺き屋根の泥レンガの家で、ひとつのマットレスを共用していました。その日は午後早い時間だったにもかかわらず、家族の誰もまだ何も食べていませんでした。

 

フォルナーはできる限りのことをしています。彼女は3ドルの全財産を使い、アブカマラのために伝統的なハーブ薬を得るためにドレスを物々交換しました。そして彼女は、アブカマラを診療所に連れて行く長い道のりを歩き、ついにそれを見つけたのです ―― 奇跡のピーナツペーストという助けを。

 

診療所は彼女にそのペーストを与え、11つの小袋を渡しました。それによって、アブカマラはほぼ確実に回復できるだろうとされました。

 

このピーナツペーストには、タンパク質、微量栄養素、そして子どもの体が必要とするすべてが含まれており、味も良いため子どもたちが喜んで食べます。費用は11人あたりわずか1ドルです。

 

「プランピーナット」とは聞き慣れない略語「R.U.T.F.Ready-to-Use Therapeutic Food:即時使用型栄養治療食)」というブランド名で知られています。この治療用食品は、すでに何百万人もの子どもの命を救ってきました。

 

R.U.T.F.のパッケージの多くは、ロードアイランド州の「エデシア・ニュートリション」という企業で製造されており、この会社はジョージア州の「マナ・ニュートリション」とともに、R.U.T.F.製造のリーダー的存在です。

 

ロードアイランド州とジョージア州は、自分たちの州を「R.U.T.F.州」と呼ぶナンバープレートを発行したいと考えるかもしれません。それほどまでに、誇り高い実績です。この2州のR.U.T.F.工場は、世界中の子どもたちの命を今も救い続けています。 ―― これも歳出削減によって過去の話になりつつあります。

 

 記事3

シエラレオネは、ひとつの革新を先導しました。

それは、アフリカで初めて、すべての妊婦に複数の妊娠期ビタミンを配布した国となったことです。これにより、胎児の栄養失調を効果的に減らすことができています。

「私たちには解決策が山ほどあります」と語るのは、ヘレン・ケラー・インターナショナルのショーン・ベイカー氏です。同団体は栄養と視力障害に取り組む国際機関です。

しかし栄養失調との闘いで世界をリードしてきたアメリカは役割を放棄しつつあります。

4年ごとに開催される2025年の「成長のための栄養」サミットに正式な代表団さえ送りませんでした。

シエラレオネの集落風景