2017年11月28日火曜日

エボラ出血熱治療法の開発で朗報


119日に発行予定の“会報18号”は今最後の校正・推敲を行っています。そんな中の今朝(1126日)、朝のNHKテレビでビッグなニュースが流れました。

会報18号には、東大生産技術研究所・医科学研究所のシニア・アドバイザー神谷秀樹さんからの報告文が掲載されています。内容については会報本文をお待ちいただきたいと思いますが、神谷さんのグループでは、シエラレオネに出向いて、エボラ出血熱から帰還した人などから血液を採取し、エボラ出血熱の治療法解明に取り組んでおられます。

 

神谷さんから、NHKニュースの放映内容を送っていただきました。下記に転記します。

東京大学の研究グループは、致死率が非常に高いエボラ出血熱について、重症化するメカニズムを調べたところ、すい臓の消化酵素が血液中に放出されて臓器に障害を与えている可能性があることを突き止め、グループでは治療法の確立に向けた一歩になるのではないかとしています。

エボラ出血熱は2013年から去年まで西アフリカを中心に流行が拡大しましたが、効果的な治療薬やワクチンがないため致死率が非常に高く、1万人以上が死亡しました。

 東京大学医科学研究所の河岡義裕教授などの研究グループは、多くの感染者がでたシエラレオネで、生存した患者11人と死亡した患者9人、それに感染していない10人の血液を採取し詳しく調べました。その結果、死亡した患者の血液にはすい臓から分泌される消化酵素が多く含まれていることがわかり、感染によって障害を起こしたすい臓から消化酵素が血液中に放出され、腎臓や肝臓などの臓器に障害を与えて重症化している可能性があることがわかったということです。

 河岡教授は「エボラ出血熱の重症化のメカニズムや予防法の確立は、国際的にも重要な課題で、今回の研究成果は大きな一歩になるだろう」と話しています。

エボラ出血熱は、現在は沈静化されていますが、いつかまた場所や形を変えて蔓延する恐れがあるそうですから、本当に世界の朗報だと思います。

会報では、シエラレオネでの健康意識啓蒙のためのパプリックビューイングの写真しか掲載できませんでしたが、プロジェクトチームの江頭康雄さんから他の写真も送っていただいておりました。ここに紹介させていただきます。
 



エボラサバイバー向けの職業訓練校にて、エボラサバイバーの方々、Project1808スタッフ、東大のメンバーと。

 
 
 

 
マケー二市にて市のスタッフと。右から2番目が河岡教授。
 
 
 
「首都フリータウンにある軍病院」です。
採血した血液の最初の分離プロセスを行うラボが有ります。